50年来の友人達とあった時に話題になった、
E子の話。
友人A子、B子、C子と、私D子は、
高校１年生の時に席が近くて仲良くなったグループでした。
２年生になって全員別のクラスに別れ、
それぞれのクラスでも友達はできましたが、
元のグループの交流が途切れることはなく、
むしろ繋がりは強くなった気がします。
そんな中、
E子は２年生で同クラスになった子です。
目立つ子ではありませんでしたが、
私の口の横に吹き出物ができた時には薬を塗ってくれるような、
親切な子でした。
親切なE子と、私はよく一緒にいたのですが、
ある時E子から
「私だから許せるけれど、あまり調子に乗らないほうがいいよ」
と、突然言われ、呆然としました。
私がなにかふざけて言った言葉が、
E子を傷つける言葉だったのだろうかと思いました。
思い当たることは無いけれども、
知らずに人を傷つけるほど、
自分は思い上がった人間だったのだろうかと、
ショックでした。
当時も悩んで、
A子に打ち明けました。
「E子からこう言われたんだけど、、」
するとA子は憤慨して、B子C子と共に
「E子の言うことはおかしい」という話になりました。
それ以降もE子との付き合いは続きましたが、
深く心を通わせることは無かったです。
50年経った今でも、A子達はE子を嫌っていて、
「D子（私）がなんでE子と仲良くするのか分からなかった」
そして、
「E子は私達のグループに入れてって言って来たことがあった」と聞いて、
ますますワケが分からなくなりました。
B子が、
「E子は、D子（私）の持っているものを欲しかったのでは?」と
言うのを聞いて、ちょっとゾワッとしました。
そういえば、
当時私が付き合い始めていた彼（？）に渡してと、
「誕生プレゼントを預かったことがあった」と話すと、
A子B子C子がびっくりして、
「E子は、なんでも持っているD子になりたかったんだ!」と。
E子がその後結婚して、初めての子供に私と同じ名前をつけたことも、
それと関係があるのでしょうか。
私はごく普通の女の子だったので、“なんでも持っている”とは思えません。
でも、平凡な家庭にそだち、友人にも恵まれ、
邪まな感情を持たずに済んだ環境そのものが、
恵まれた環境だったのでしょう。
そのことに気づかないことが、思い上がりだったと言えます。
ただ、
そんな恵まれた環境というのは、
当時のせいぜい20年間くらいのことで、
大人になってからの50年のほうがずっと長いのです。
大人になってからの50年間を、
E子が羨むことは無いと思います。
だいたい、
人が羨むほどの人生を歩んだ人がいるのでしょうか?
