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リアル60代&70代

60才代と、新たに70才代の日々の思い。

巨大なシステムに抗う『モダンタイムス』

 

伊坂幸太郎『モダンタイムス』を読みました。


モダンタイムス (Morning NOVELS)

 

 

システムエンジニアの渡辺が引き継いだ仕事は、

出会い系サイトの仕様変更だったのだが、

調べる内に関係者が次々と不審死や行方不明となっていた。

 

暴力的な妻に怯える渡辺も、巻き込まれて行く。

 



 

「検索」が「監視」を生むという現代の恐怖を、

16年前に小説にしている伊坂幸太郎って凄いなと思いました。

 

 

渡辺の浮気を疑い拷問屋を雇う妻佳代子。

その拷問屋(後に仲間になる)。

友人で好色な作家「伊坂好太郎」。

同僚の「大石倉之助」。

「人間だもの」と噓ぶく先輩五反田。

 

等など、登場人物がみな魅力的です。

 

ユーモアを散りばめながらも、

「だいたい、正義とか良識って、ちょっと怖いですよね」とか、

 

「国家は国民に怒られない低度に、国民を守るような素振りを見せているだけだ」、

 

「利益を生むものは進化する。人のためになるからじゃない、利益が出るからだ」、

 

など、ドキッとするセリフが随所に溢れます。

 

ニュースやネットの情報にも、

「人の興味は、それが真実かどうかということよりも、面白いかどうかということに反応する。真実らしければ、いい」と断言させます。

 

 

そして、

「政治も経済も、人の気分や善悪も全部、大きなシステムに乗っているだけだけだ」、

 

「社会ってのは、システムを構築していく」「そのほうが楽だからな」。

 

「システムにとって厄介なのは『例外』だよ。」と伊坂好太郎に言わせます。

 

 

巨大なシステムに対しては、

「何をやっても同じ」という「虚無」に辿り着く一同でしたが、

 

創り上げられた英雄で政治家になった永嶋が、

 

『そういう事になっている』と自分に言い聞かせていたにも関わらず、

渡辺の「小さなことのために動くんだ」という言葉に翻意する場面も感動的でした。

 

 

世界を変えようとしていた作家「伊坂好太郎」の、

 

「小説で世界なんて変えられねえ。ただ、一人くらいに、届くかもしれねえ」

と残した言葉が、心に滲みました。

 

 

rennge.hatenablog.com

 

 

 

 

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