映画『ダイバージェント』を観たときに、
解説のなかで小説『1984年』を題材にしたとありました。
『1984年』とは、
ジョージ・オーウェルが1946年に発表した、
「二十世紀世界文学の最高傑作」と言われるほどの小説だそうです。
恥ずかしながら私はこの小説は知らなかったので、
読んでみました。
近未来1984年、
主人公ウィンストンは、三つの大国の1つオセアニアの政府の
外郭とされるポストに所属している。
仕事は、党の発表した「現在」に合わせて「過去」のあらゆる文書を書き換えること。
“過去は改変されたばかりでなく、つまるところ破壊されてしまったのだ。自分の記憶以外に何の記録も残っていないとすれば、またとないほど明白な事実でさえどうやって立証するというのだ?”
“ビッグ・ブラザー”という象徴に、
ありとあらゆること(表情までも)を監視される世界で、
ウィンストンは密かに日記を書き始める。
送信・受信をコントロールできない“テレスクリーン”
“党と党に関係するもの一切を諸手をあげて礼賛する子どもたち”
“思考を表現することばがなくなるニュースピーク”
“それによる“思考犯罪”の撲滅”
特に恐ろしいのは、
“何もかもが霧の中に消えているのだ。過去が消され、その過去自体が忘れられ、嘘が真実となる。”
という所。
罠に嵌められ拷問を受けながらも、
「目指すのが生き延びることではなく、人間らしさを失わないことであるなら、事実が明らかにされようがされまいが、彼らにこちらの感情を変えることはできない」と言っていたウィンストン。
「人の心の中にまで入り込めはしないもの」と言った恋人ジュリア。
その二人の絶望の結末。
徹底的なコントロールの元で自由を貫き通すことは難しい。
“自由か幸福か”と問われたら、
「幸福」を選ぶと思う私ですから。
💕