はてなインターネット文学賞「記憶に残っている、あの日」
30年くらい昔に読んだ本に、
“一番小さい時の記憶は
その人の世界の見方を表している。
なぜなら
初めて外界を認識した自我だから”
と言うようなことが書いてあった。
本の題名も、正確な内容も覚えてはいないが、
けっこう衝撃を受けて、
当時
自分の一番小さい時の記憶を探した。
その時思い出したのは、
白いベッドのある室内。
ベッドの高さと自分の目線が同じくらい。
母に聞いたら、
多分おばあちゃんのお見舞いだろうって。
2才くらいの時に、
母に連れられて行ったそうだ。
そう言われれば、確かに病院のベッドだ。
そして、
その次の小さい時の記憶が、
黒塗りの車がずらっと並んでいるどこか。
それが祖母のお葬式なのらしい。
こうして見ると、
私の最初の世界の認識は、
“人は老いて死ぬ”
ということなのだろうか。
全く子供らしくない“自我” だけれど、
なぜかちょっと納得がいく気もする。
達観というにはおこがましいが、
どこかで“終わり”を意識していた自分の気がする。
ちなみに、
当時夫にも聞いてみたところ、
「トロッコで草の上を滑っているところ」だって。
ブレーキのないトロッコで滑るなんて、
(青春の門か😑)
いかにも無謀な夫らしい記憶だと思ったものだ。
あなたの一番小さい時の記憶は何ですか?